地域貢献セミナーレポートを掲載しました!

COPLI地域貢献セミナー

地域貢献/社会貢献に関する先進事例紹介

 

《第一部》 講演会 

【日時】 平成28年3月10日(木)18:00~19:15 

【場所】 神戸市勤労会館 403講習室

 

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TOA株式会社の取組

  講師:吉村真也 氏 TOA株式会社経営企画本部広報室主事

 

□地域創生における大学の役割

  講師:多井 剛 氏 流通科学大学経済学部準教授(COPLI地域貢献委員会委員長)

 

TOA株式会社の取組

 

 わたしは1997年よりTOAの経営企画本部広報室で主事を務める傍ら、社外では企業メセナで芸術・文化による社会貢献活動をしています。活動を始めた19年前「CSR」という言葉はまだ定着していませんでしたが、その頃から企業メセナとして、自社資源を使ったさまざまな企画を実施してきました。

 本日はB to B企業にとってのCSRの事例として、当社の自主企画である「TOA Music Workshop(以下、TMW)」をご紹介します。

 

自社資源を活用し、神戸のイベントを音で支える

 

TOAは業務用音響・映像機器製造販売会社です。本社は神戸市中央区のポートアイランドにあります。

 具体的には、マイクロホンやアンプ、メガホン、スピーカーといった商品を組み合わせ、商業施設の館内放送、駅や空港の案内放送、劇場やホールの音響システムを納入しています。また、小中高等学校の校内放送や防犯・監視用のテレビ、カメラシステムなども手掛けています。ただ、家庭用ではないので、みなさまには馴染みが薄いかもしれません。

 誰でも知っている商品といえばメガホン(ハンドマイク)でしょうか。今では世界中で使われているメガホンですが、原産地は神戸。約60年前、TOA(当時の「東特殊電気」)が世界ではじめてこれを開発しました。

 業務用音響ではシュアが50%で、駅構内やビル内に設置されたスピーカーの半分はTOAのものです。この会場にもTOAのスピーカーがふたつとワイアレスマイクのアンテナが設置されています。帰路、駅やビルで音が鳴る方向に耳を澄ませてみてください。当社のスピーカーがあるはずです。

 また、火災発生時、自動的に警報を流す装置など、建物内の非常用放送設備も販売しています。最近では、河川の氾濫や津波に発生に備え、警報を流すシステムの整備も進み、防災用スピーカーの需要が拡大しました。

 そんな当社のCSR活動は自社資源の活用が特徴です。当社は商材としてさまざまな音響機器を持ち、オペレートするための人材とノウハウもあります。それを活かし、さまざまなイベントをサポートしています。

 神戸ルミナリエの会場で、薄らと音が鳴っているのに気づいた方がいるかもしれません。点灯するときの音楽や鐘の音は、音響機材も音源もすべて当社が担っています。

 神戸マラソンでは会場用音響設備を提供。スタート地点には、防災用スピーカーの技術を応用した大型の設備を設置。会場には2万人が集結し、スタート地点から後方までの距離は数百メートルにもなりますが、最後尾のランナーまできちんと号砲を届けることができました。

 

それぞれの世代に、それぞれのカタチで、音楽との出会いを

  

当社では自主企画によるCSR活動を実施しています。テーマは「子どもたちと音楽との出会い」です。

 一口に子どもと音楽といいましても、小学一年生と高校生では接し方も考え方も異なるため、小学生、中学生、高校生向けの活動をそれぞれ企画しなければなりません。

 今日はそのなかから小学生対象のワークショップTMWをご紹介します。

 

TMWは音楽とダンスの体験型ワークショップを無償で派遣するプロジェクトです。音楽家とダンサーを集めてユニットを組み、公演を企画し、資財を提供し、スタッフを派遣し、オールインパッケージとして学校へ届けます。

 

TMWは最大で200人が一緒に体験できる90分間のプログラムです。アフリカンパーカッションやコリアンパーカッションなど、打楽器をメインとした音楽家のユニットと、コンテンポラリーダンスのユニットとのコラボレーションで作品を構成。体育館などに音響機材を持ち込み、すべての窓に暗幕を張り、照明機材でダンスを演出します。そうした非日常の空間で、子ども達は打楽器のビートに乗り、ダンサーと共に楽しく身体を動かす体験をするのです。

 コンテンポラリーは特に踊りの型を持ちません。ですから、どんな動きでもダンスになると知ってもらうために、プログラムではまずダンサーの真似をさせます。マネダンスは人気のプログラムで、必死になって真似をしているうちに、どんどん身体がほぐれていく仕組みです。

 クライマックスでは、90分間に体験した要素のすべてを使い、躍動感のあるリズムに乗って、全員で汗だくになって踊ります。その映像が弊社のHPにアップされているので、興味のある方はご覧になってください。

http://www.toa.co.jp/mecenat/tmw/

TMWは、ダンスや音楽の技術を教えるプログラムではありません。夢中になって踊ることで、子どもたちのなかに変化を起こすのが目的です。身体を動かすことの楽しさを知ったとか、友達に対する印象が変わったとか、自分の隠れた才能に気づいたとか、わずかでもそういう新しい気づきを起こすことを目指しています。

 

部門連携、社外専門団体との協働による「Team TMW

 

最初の数年間、TMWは、CSR担当部門だけで実施していました。しかし、2011年以降は、CSRを担当する広報室と、全国の営業所を統括する営業戦略室が連携し、TMWを全国に届けています。

 コンテンツ制作は広報室、開催校との調整は営業部門の担当です。全国30か所以上にある営業所が、地域の学校へ足を運び、関係づくりを行っています。

 公演シーズンは秋冬。開催実績は29都道府県で82回。体験者数は9000人を超えました。中止や事故は一度もありません。ただ、プログラム開始から11年になるものの、まだ全都道府県での実施には至らず、日本は広いなと、しみじみ感じています。

 音響や照明などテクニカルな部分はグループ会社の担当です。アーティストやダンサー、子どもの専門家の派遣は、アートNPOや個々のアーティストにお願いしています。

 営業所の人数にもよりますが、1公演の必要人員は10名~20名。全国へ遠征するので交通費はかさみますが、どの公演も子どもたちとの素晴らしい出会いでした。

 

TMWのもうひとつの特徴は、従業員が参画していることです。しかもボランティアではありません。設営も運営も公演も、業務として業務時間内に行っています。

 800名程度の会社で、毎年延べ100名近くが参画するのは、あまり例がないことでしょう。

 

 参画した従業員は「ユーザーさんと直接お話しができてよかった」「子どもたちが喜んでいる姿を間近で見られて嬉しい」「感謝の言葉をいただき、社会貢献している実感が持てた」と口々にいいます。

B to B企業は、基本的に電気工事店や卸売店などを経由して販売を行うため、ユーザーさんと直接お話しする機会はあまりありません。校内放送設備を多くご利用いただいている学校市場でも、お客さまと直に接する機会は少ないのです。

 

TMWでは、音楽に乗って踊りながら、お互い笑顔で接することができます。通常業務と異なる非日常空間では、初対面の印象が全然違い、人間関係の構築も非常にスムーズ。

 「先日はありがとうございました」とお礼の訪問を行うこともよくあるそうで、TMWが良好な関係を続けるきっかけになっているといいます。

                                      

 外部からも非常に注目され、メセナアワード文化庁長官賞やPRアワード ツール・スキル部門 優秀賞などをいただき、メディアへの記事掲載も110回を超えました。関係先から「新聞を見たよ」とお声掛けいただくことも増え、企業ブランド向上にも寄与できているのではないでしょうか。

 

エピソード評価とテキスト分析でプログラムを改善

 

TMWでは公演後に児童アンケートを実施しており、どの学校でも9割近い児童が「楽しかった」と回答しています。ただ、この集計からは、どのように楽しかったのかまではわかりません。そこで実際どのように感じたのかをヒアリングし「エピソード評価」として収集、記録しています。

 すると「自分にもダンスができたのだと思った」「怒りっぽい友達が踊っているときは笑顔になっていた」「赤ちゃんに戻った感じがしておもしろかった」など、大人ではとても思いつかないような素敵なコメントがたくさん集まりました。裏にイラストを描いてくれるお子さんもいて、スタッフ一同、これを読むのが本当に楽しみです。

 もちろん、こうした意見は一部のものであって、全ての児童がおなじ感想を持っているわけではありません。しかし、同じような感想をどれだけの児童が持っているのか、ある程度は数値化して把握することができます。

 

 「テキスト分析」はエピソード評価を定量化していく試みです。たとえば4年生の女子が書いた「大嫌いな体育をするところだった体育館が、魔法にかかったように楽しい場所へ変わりました」という感想。ここに「楽しい」というキーワードが出てきますが、これを専用のPCソフトで分析し、おなじ単語を感想文中に使っている児童の割合を算出すると、約82%の子どもたちが「楽しい」「わくわく」「うれしい」などポジティブな単語を使い、感想を述べていました。「楽しい」と感じた児童がひとりではないということを、数値で裏付けることが出来たわけです。

 これを応用すれば、特定の言葉を選定、出現率を比較することで、みんなの印象に残っているワークを把握できます。それをグラフ化すると、明らかに出現率の低いワークがあることも分かります。そこから他のデータと照らし合わせて原因を特定し、次年度にそれを改善します。要素を見える化し、プログラムの質を高めるのです。

また、公演後の反省会には担当教員の方もご参加いただき、改善点があれば、その場でプログラムに微調整を加えていきます。気になる児童がいた場合「あそこであの子があんな反応をしたけれど、普段はどういうお子さんですか?」など、先生に助言を求めるわけです。我々は「その時、児童に何が起こっていたのか」を考えるために、あらゆる角度から議論を行います。

 そして年度の終わりには分析レポートを作り、内容の一部をホームページに掲載。レポートをもとに全員でミーティングを行い、総合的に判断したうえで改善すべきところは改善し、年に一度の総合リハーサルでは総がかりで新作を作りあげます。とてもたいへんですが、楽しい作業です。

 

はじめは失敗の連続で、子どもたちに楽しんでもらうことができませんでした。でも11年間継続し、改善を加え続けた結果、なんとか形になってきました。プログラムの精度も上がってきたのではないかと感じています。

 

ビジュアルを統一し、一期一会をより印象的に

 

 TMWにおいて、コーポレートカラーのオレンジは「楽しいコト」の象徴です。活動の効果をより高めるよう、シンボルマークをTMWの全ツールに展開し、オレンジを基調にしたデザインで統一しています。パンフレット、ホームページ、学校に貼る事前告知用のポスター、公演ユニフォーム、ノベルティもすべておなじ。一目でTMWと認識できることが重要なのです。

 たとえば当日、事前告知のポスターとおなじユニフォームを着た集団が学校へ出現。すると来校を待ちかねていた子どもたちから「TOAが来た!」と歓声があがり、大騒ぎになることも珍しくありません。それは営業担当者にとっても、いままで体験したことがない感激だそうです。

また、公演の最後には、ノベルティのロゴ入りシール、通称「キラキラシール」を一人ひとりに手渡しています。この記念品は宣伝も兼ねていて、子どもと家族との会話のきっかけにもなっているようです。

残念ながら活動に大きな予算はかけられません。ですから、プロジェクトの成功は、たった90分間の出会いを、どれだけ印象深くできるかにかかっています。本業では得られない人とのつながりや、TOAの長期的なファン作りを、この活動で支えたいのです。

 実際、TMWで接した中学生が、成人して当社に入社した例もあります。担当者としてこんなに幸せなことはありません。

 活動継続には、コンテンツそのものと、参画者の力、どちらも重要です。これを両輪として企画は成長します。コンテンツが魅力的でなければ、多くの参画者は集まりません。参加して楽しいと感じれば、参画者は次の参画者を呼び、より自発的、積極的に場と関っていくようになるのです。その結果、コンテンツはさまざまな参画者の意見を取り入れつつ進化し、もっともっと楽しくなるでしょう。

こうした点において、当社のCSR活動は、まだ道半ばです。これからも二つの力を意識し、活動を続けていきたいと思います。

 

                                                   吉村真也

 

地域創生における大学の役割

 

 昨年10月、兵庫県の地域創生戦略が発表されました。これは2060年の兵庫の姿を見据えたもので、オリンピックまでの5年間に、農林水産業の成長産業化、集落のセイフティネットの確保、出生数22万人などの目標や施策を掲げています。

 なかでも農林水産業の成長産業化は、なんとなく未来が見えてきているのではないでしょうか。いま兵庫県では近大のまぐろの養殖に感化され、さまざまな生物を工場で作る試みがなされています。

 なかでもいちばん有名なのはきのこです。きのこの栽培といえば、ほだ木に生えているイメージかもしれませんが、それは原木と書いてあるやつだけで、ふつうは工場の菌床で育てます。

 宮崎の元知事がマンゴーをブランド化したように、きのこも海外への販売、認知を想定し、栽培に取り組んでいるところです。

 神戸ではすでに神戸牛が成功例としてありますね。神戸牛は海外でも高級牛として認知されている牛のブランドです。

 

 また、集落のセイフティネットについてですが、兵庫県にも限界集落は結構あって、たとえばそこで水道管が詰まったとき、地域の高齢化が進むとなかなか対処できません。原因と対処方法がわかっていても、寝たきりのお年寄りばかりでは動けないからです。

 しかし、住人を都会へ移住させるのは難しいでしょう。長年住んでいた土地を離れたくない、故郷に骨を埋めなければならない理由が皆それぞれあるからです。

 さて、そこで限界集落の問題をどう解決するかですが、正直、人がいなくなるまで放っておくしかないという気もします。自治体はお手上げ状態ですし、大学が頭を捻ってそれを考えろといわれているわけですが、なかなかいいアイデアが浮かびません。

 

兵庫県の多様なポテンシャル

 

ただ、兵庫県には多様なポテンシャルがあります。たとえば阪神淡路大震災を経験した地としての安心・安全対策。地震対策のノウハウはよく売れるコンテンツです。兵庫県はITで震災当時が見えるというサービスも展開しています。

 ロボットといえば鉄人28号が有名ですが、シスメックスは医療用ロボットを開発しました。また、ポートアイランドは先端医療技術の研究開発拠点で、産学官連携により、医療関連産業の集積を図る「神戸医療産業都市」を推進し、成功を収めています。

 次世代エネルギーはすでに水素ステーションなど充電のための設備ができていて、ただ、車の方が安全面でクリアできていない状況です。クリーンなエネルギーでコストが安ければタクシーやバスはそっくり変わるはずですが、車そのものか強度か安全面が悪いのか、法規制が厳しすぎるのか、実用化には至っていません。この問題には受け入れる側のことも関係しているでしょう。

 また、我々馴染みの「京」では、天体に関する計算が実現しました。そして「spring8」ではブラックホールを作る実験をしていて、実現が期待されています。

 

 ここまでは兵庫県にある「モノ」の話しでした。これらを使って世界に売れるパッケージを作るとともに、モノづくりを支える人材もこれから育てていかなければなりません。

 

 そこで多文化共生としてのグローバル性を活用します。兵庫には他の県より多彩な言語を喋る人がいて、多文化と接する機会も多い地域です。世界に向けてもっと日本にあるものをアダプテーションしていけるのではないでしょうか。

 ただ、多彩な兵庫人の育成を、親がやるのか中学校がやるのか大学がやるのか、そのへんは難しいところです。文部科学省にいわせれば、もともと私立大には建学の精神があるのだから、それに合わせて人を作ればいい、ということですが、そう簡単な話しではありません。

 まず兵庫人とはなにかという定義をしていかなければならないからです。

 また、兵庫は食の宝庫です。北と南で捕れる魚は違うし、牛にも土地柄があります。これで、観光客を呼べるという目論見なのか、兵庫県は平成の御食国の確立を目標に掲げています。

 

地方創生における私立大学の役割

 

 地方創生における私立大学の役割は、人材の多様性の確保だといわれています。これはひとつの大学においてそうであれという話しではありません。大学は建学の精神において、もうすでに多様であるはずだ、だからそこへ立ち返り、人材育成をすれば、地域の中にあるさまざまな私学からさまざまな人材が出てくるだろうという、考えです。

 大学のなかで多様性を確保せねばならないと誤解され、学科を創設しているところもありますが、注意しなければなりません。

 具体的な施策として、地方でのインターンシップや実習、フィールドワークの機会を組織的に展開しています。地方の雇用創出に対して、大学はシンクタンクとしての役割を強化し、社会人の学びなおしの機会をさまざまな地域において、豊富に提供し、地方自治体を軸とした各地域における多主体間の連携・協力のプラットフォームを構築しなければなりません。

 

 しかし、そもそも大都市圏出身者が地方への就職を望むでしょうか。若年の地方への移動は我々の課題ですが、それを促進していくといっても、なかなか難しい面があります

 人口密度の低い土地の高校を出てそのままそこで働く若者はいます。しかし、大学へ行くときにたいていは大都市へ出てしまいます。

 また、世界の人々とコミュニケーションを取れる人材、多様なローカルの実情に応じられる人材を育てるのも大学の課題です。しかし、こんな人がいたら誰だって欲しいですよね?でも、実際はめったにいません。

 積極的に行っているのは地方でのインターンシップです。うちの大学でも篠山でインターンシップをしたり、フィールドワークで田舎へ行く機会が結構あります。

 水や電気やスマホの電波が自由に使えない場所へ行ったとき、どんな体験ができるかという試みです。

 しかし、結局うちのゼミでもそうですが、淡路島出身者が地元へ就職したものの、退職して大阪の会社へ入ったりする例が後を絶ちません。

 

 「日本私立大学団体連合会」は私立大学のシンクタンクです。雇用喪失に対して、私立大学はシンクタンクとしての役割を強化しなければなりません。つまり、先生や生徒で頭を捻って地方創生について考えろということですが、多くの行政区において果たして成長産業ができるのかという疑問はあります。

 ただ、竹田城のような例も存在するので、諦めるのは早計でしょう。有名になるまえに家族で竹田城へ登りましたが、あっという間に聖地になって驚きました。

果たして大学人は竹田城を生み出せるでしょうか。

 

 社会人に学びなおしの機会を設けることは可能です。能率をあげるためにどういう働き方をしたらいいか、たとえばエクセルでこんなことできるなど、豊富に情報を提供したいと思います。

COPLIではICTを活用し、遠隔の子ども同士を交流させたりしています。そういうコミュニケーションの連携を大学でも考えていて、それをビジネスとしてできればベストでしょう。あるいはCOPLIみたいなところで、産学官の連携をします。そして、地方自治体を核とした各自治体間の連携、協力のプラットフォームを確立するのです。

 

厳しさを増す大学を取り巻く環境

 

 次に参議院事務局企画調整室が考えた「期待の一方、厳しさを増す大学を取り巻く環境」についてお話しします。

 地(知)の拠点大学による地方創生事業(Center of Community+)は以前、+がない時期があ

り、COCと呼ばれていました。これは事業費を計上して活動していましたが、結果が出ませんでした。

 また、依然として大学進学時における地方からの大規模な人口流出が続いています。しかし、ふつう、親は子どもが東京の大学へ進学するとなれば、喜んで送り出すのではないでしょうか。なのにそれを地方で頑張れというのは今までの概念を覆す、非常に難しいことです。

Uターンしてくれればいいのですが、なかなかそうもいきません。

 若年層は年々過疎化しています。昭和41年が249万人、平成4年が205万人、今年の18歳人口は半分近くの118万人です。しかし、大学は増えています。大学をキープするには学費を上げるしかありません。

 また、働いて税金を払ってくれる人が要するに半分になったということなので、自治体のボリュームをキープするには税金をあげるしかないでしょう。

 グローバル化が進み、地方も世界への進出が迫られる時代がきています。世界大学ランキングングで東京大学は43位です。いずれ東南アジアの若者が勉学のために日本へ行くという時代ではなくなるでしょう。

 そうなる前に知の拠点として大学は地域に貢献しなければなりません。

 

COPLIは地方自治体を軸とした地域における都市間の連携・協力のプラットフォームです。地域の活性をICTという観点から推進してきました。大学が地域貢献できる機会、また、就職フェアなど地域に人材が留まる機会をCOPLIは提供しています。

 我々の方向は間違っていません。今後は大学と連携した地域貢献を強化して地域創生に邁進し、地域貢献委員会の活動へ繋いでいきたいと思います。

 

                                                     多井剛